コロナ禍で飲みに行けなくなりイライラする夫とは「別れたほうがいい」理由【コロナ禍の夫のトリセツ】

コロナ禍が続く中、妻への意地悪に拍車のかかった夫に、対処する方法はあるのでしょうか?

けんかしている夫婦

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ベストセラー『夫のトリセツ』(講談社)の著者で脳科学・人工知能(AI)研究者の黒川伊保子さんに、意地悪な夫の脳について教えてもらいました。

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【相談】コロナ禍で飲みにいけなくなり、意地悪してくる夫にはどう対処する?

「夫はお酒を飲みに行くのが好きですが、コロナ禍で飲みに行けなくなってからイライラするようになり、私に対する意地悪も増えました。夫の気分次第で、私をずっと無視し続けたり、『お前はバカだから』『俺が買った車だから、お前は乗るな』などと言ったりします。

そのくせ、私が反論すると尋常じゃないほど、怒るので何も言い返せません。こんな意地悪な夫にはどう対応するのがよいのでしょうか」(49歳・パート)

けんかしている夫婦

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健全とはいえない“意地悪な脳”とは、早めの決別がベター

申し訳ないのですが、この問題について、脳科学の観点からは答えることができません。私の脳科学は、比較的正しく健康に動いている脳についての研究。健全な男女の脳のすれ違いについては答えられるのですが、この情報だけで判断する限りではこのかたの夫は “抑止力の働きにくい脳”である可能性が高く、健全とは言えないのです。

離婚届

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◆暴力を振るってくる危険も

このタイプは、戦略を立てて対応すると暴力を振るってくる危険があるので、もし私が友人から相談を受けた場合は、「別れたほうがいい」とアドバイスするでしょう。経済的な理由ですぐに別れることができないなら、着々と経済力を身につけて、別れる準備をしてね、って。

ただ、暴力をふるっていないので、一つだけ打つ手があるかもしれません。

“意地悪な脳”は前頭前野が未発達?

もともと男性脳は、闘争心や独占欲をもたらす「テストステロン」という男性ホルモンの影響を受けていて、「自分の女」に拒絶されたり、否定されたりすると、それに対して強いストレスを感じます。きついことばを返すこともあり、抑制のきかない人は、腕力に訴えることも。

しかし、通常は、脳の前頭前野の抑止力が働き、多少のことばの応酬くらいで済むものです。

けんかしている夫婦

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しかし、この場合は、拒絶したわけでもないのに、自分のイライラを処理しきれずに、当たり散らしていますよね。ここまで“意地悪な脳”は健全とはいえず、前頭前野が未発達の可能性があります。

例えば、「頭にきたから、目の前の人を痛めつける」といった衝動をいったん止め、頭にきたけど、それを表に出してよいかどうかを確認するのが前頭前野の役割だからです。

◆前頭前野の未発達は変えることはできない

さらに、前頭前野は、忍耐力=「今はつらいけど、将来のために耐える」と言う感覚を創り出すところでもあります。相談者の夫は、どうも、抑止力と忍耐力が、うまく機能していない脳の持ち主のように見えます。

前頭前野は11~18歳までに発達するので、そのときに習慣性の飲酒や喫煙、またはドラッグやシンナーを吸うなどの行為で発達が阻まれることもあります。この方の夫がそうだとは限りませんが、万が一、前頭前野未発達のまま大人になってしまった場合、残念ながらそれは変えることはできないのです。

タバコを吸う男性

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かまってあげたら改善するかも?

ただ、この夫の場合、暴力をふるっていないので、そこまでの未発達ではなく、望みはあると思います。

というのも、ヒトの脳にはインタラクティブ(相互作用)特性というのがあって、自分の働きかけに相手が応えることで、快感を得ています。もしかすると、妻の自分に対する反応が弱いと感じていて、意地悪をして、反応を確かめたいのかも。小学生が、好きな子をいじめる論理ですね。

いっそ、リビングを居酒屋風にしてみたり、時には居酒屋の女将のふりをしたりして、彼をかまってあげたら改善するかもしれません。

◆裏目に出るようなら意地悪をやり過ごすしかない…

それが裏目に出るようなら(さらなる意地悪を誘発するようなら)、意地悪をやり過ごすしかないでしょう。「この人は意地悪」と烙印を押してしまい、「いつか分かり合える」などと信じないことです。そうしなければ、女性脳は、夫とのコミュニケーションが取れない自分の自己評価を下げてしまい、心が凍えてしまいます。

相手の脳は変えられないので、別れられないのならば、この意地悪を「自分が悪いせいじゃない」としっかり自覚して、心を守ってください。

教えてくれたのは:脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん

脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん

株式会社 感性リサーチ代表取締役社長。人工知能研究者、随筆家、日本ネーミング協会理事、日本文藝家協会会員。人工知能(自然言語解析、ブレイン・サイバネティクス)、コミュニケーション・サイエンス、ネーミング分析が専門。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳と言葉の研究を始める。1991年には、当時の大型機では世界初と言われたコンピューターの日本語対話に成功。このとき、対話文脈に男女の違いがあることを発見。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。2018年には『妻のトリセツ』(講談社)がベストセラーに。以後、『夫のトリセツ』(講談社)、『娘のトリセツ』(小学館)、『息子のトリセツ』(扶桑社)など数多くのトリセツシリーズを出版。http://ihoko.com/

構成/青山貴子

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