大人になったら親友はいらない|目的ごとに友人がいれば人生は豊かに【50代からの人間関係のコツ】

「学生時代の友人に久しぶりに会ったら、なんだか話が噛み合わない。昔はあんなに仲がよかったのに…」「学生時代と違って、今はなんでも話せる友人がいない」「ママ友との付き合いがツライ」など、大人ならではの友人関係に悩む人も多いのでは? 50代ともなると友人との付き合い方にも変化が生じるものです。

女性同士

Ph/Getty Images

そこで、精神科医の水島広子さんに、これからの人生を楽しくするための友人との付き合い方を伺いました。

学生時代の友人と、最近は話が噛み合わない

「学生時代は仲がよかったのに、大人になると話が噛み合わなくなるのは当然のことです」と水島さん。

学生時代は比較的同じような環境で、共に学び、仲間意識も強く感じる時期ですが、社会に出ると歩む人生はそれぞれです。

◆「環境が違えば当然」と割り切って、今の自分に合う友人と付き合う

女性同士

Ph/Getty Images

「学生時代は、社会を知らない分、価値観が近いと感じる人も多いですが、大人になると、仕事での成功度や生活環境も異なります。同じ主婦であっても、経済状況や家族の問題などは人それぞれですから、話が噛み合わなくなるのは当たり前です。もちろん、旧友は大切な財産ですが、今の自分と話が合う友人と付き合う方がよいと思います」(水島さん・以下同)

学生時代と違ってなんでも話せる友人がいない一方で、なんでも話せる友人がいないという悩みもよく耳にしますが、水島さんは「50代にもなったら全部がぴったり合う友人なんていません」とも。

そもそも、そうした悩みは女性特有だといいます。

「女性は、他者との関係性を大切に生きている傾向にあるので、相手に全部認めて欲しいという欲求を強く持っています。特に小学校高学年から中学時代は親友とベッタリと過ごしたい時期ですが、大人になったら親友はいなくてもいいと思いますよ」

◆目的ごとに話の合う友人を複数持つことがベスト

女性同士

Ph/Getty Images

例えば、運動するときはこの人、おしゃべりを楽しむのはこの人というように、複数の友人を持つことが、お互いの生活上も負担にならなくてよいと付き合い方だといいます。

「学生時代のように、『自分のことを全部わかって!』と求めてしまうと、大人同士の付き合いの中ではかなりの負担になります。ひとつのことで盛り上がれる友人が、複数の領域にいれば、それだけで人生が豊かになると思います」

つるみたくない友人…どう断ったらいいのがわからない

自分の好きな人とだけ付き合うことができた学生時代とは違い、大人になると子供の学校を通じて、ママ友との付き合いや近所付き合いなども避けては通れません。

水島さんは「避けられない付き合いでも、つるまなければよいのです」と言いますが、とはいえ、誘われたときにうまく断れないと、後々面倒なことに…。上手に対処するにはどうしたらよいのでしょうか。

◆上から目線で断ると相手を傷つけややこしくなる

断る女性

Ph/Getty Images

「相手が嫌だからつるまない」「あなたたちといるよりよっぽど有意義なことがある」という雰囲気を出すとケンカを売っていることになるので要注意。

「断るというのは、本来は中立的なことなのですが、理由が問題です。『英会話教室に行くから』や『お菓子教室に行くから』なんていうのは最悪。キャリアアップやセレブ感を漂わせると嫉妬されます。さらに、こちらが上という立場で断ると、相手を傷つけてしまったり、相手が否定されたように感じてしまうので、関係がややこしくなります」

仕事をしている人も単に「仕事があるから」というと、相手が専業主婦であったりすると、上から目線と取られてしまう危険も。

◆断るときは自分を下にするとスムーズ

女性同士

Ph/Getty Images

「断るときは、自分を下にするのが鉄則です。例えば、『私、こういうの苦手なタイプなの。気が利かなくてごめんね』『私、天然だからきっと話が合わないわよ』と自分を下げるとスムーズです。『自治会で溝掃除があるのよ』『上司に急に仕事振られちゃって。迷惑だよね〜』などと嫌そうに言って、被害者感をアピールするといいでしょう」

夫や子供のことに加え親の介護など、悩みも増える50代だからこそ、友人付き合いくらいはストレスフリーにしたいものです。うまく付き合えば、自分の強い味方になるので、ぜひ心がけてみてください。

教えてくれたのは:精神科医・水島広子さん

水島広子

精神科医。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)。日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。2000年6月から2005年8月まで、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正などに取り組む。『50代からの人間関係』(PHP研究所)、『夫婦・パートナー関係もそれでいい。』(創元社)、『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)など著書多数。http://www.hirokom.org/

取材・文/青山貴子

●何もしない夫を“家事夫”にするカギは「頼る」と「ほめる」【50代からの人間関係のコツ】

●「もう年なんだから」はNG。年々頑固になる実親や義親との付き合い方【50代からの人間関係のコツ】

●子供の進学、就職、結婚相手…親は”気になること”を子供にどう伝えたらいのか?

→水島広子さんの「50代からの人間関係のコツ」の記事はコチラ

関連記事