痩せるためには食事制限だけでなく運動も必要。わかってはいるけれど、ジムもランニングも続いたためしがない…。
そんなズボラさんにオススメなのが、筋トレ効果のあるウォーキングエクササイズ、「ポスチュア(姿勢)ウォーキング」。
ポスチュアウォーキングのダイエット効果は?
「ポスチュアウォーキング」とは、KIMIKOさんが産後太り解消のために考案した独自のウォーキングメソッド。単なるウォーキングとの違いは、有酸素運動でありながら、足全体からお尻、ウエスト、背中、肩まわりの筋肉を動かす“歩く筋トレ”であるところ。
足の筋肉を使うことで血液やリンパの流れが活発になり、痩せて引き締まるだけでなくむくみや冷えも解消。体験者の中には体重7~15kg減、11号から5号へサイズダウンした人も!
「ポスチュアウォーキングは、スポーツと日常動作のちょうど中間のエレガントなエクササイズウォーキングです。自分の体重を使って、ゆっくりとじわっと踏ん張って歩くので、体重が重いほど効きます(笑い)。
足の太もも、ふくらはぎ、そして胸の筋肉も使うので、ヒップアップとバストアップ効果は非常に高いです。お尻も小さくなります。血流が良くなることで偏頭痛や肩こりが解消され、母乳の出が良くなる人も。目が大きくなって、顔も美人になりますよ!」(KIMIKOさん)
静岡大学の杉山康司教授の研究によると、普通のウォーキングと比べ、ポスチュアウォーキングはゆったりと歩くスピード(ぶらぶら歩き速度:60m/分以下)でその効果が顕著にみられ、下腿と体幹部の筋活動が特に増加するとの結果が出た。
「ゆったりとした動きの中にも、運動効果を上げる骨格筋の使い方をしていることが観察されました。体幹を意識的に使っている状態で、本来は歩くときに使っていない胸の筋肉もしっかりと使っています。カロリー消費量も10~15%アップすることが実証されています」(杉山教授)
では実際に通常のウォーキングと比べて、どのくらいのカロリーを消費するのか計算してみよう。
消費カロリーの計算方法
消費カロリーは体重によって変わり、体重×運動強度(METS)×時間×1.05=エネルギー消費量で算出できる。METSとは、運動別にエネルギー消費量をMETS数という係数にしたもの。たとえばウォーキングは、成人女性の通常歩行(平地、60~70m/1分程度)で運動強度は3Mets。早歩き(平地、95~100m/1分程度)なら4Metsとなる。
それに対し、ポスチュアウォーキングは40~50m/1分程度のゆったりとした速度で歩いて、運動強度は4~5Mets。
たとえば体重が60kgの場合、普通の速度で3時間歩いたなら、60kg×3Mets×3×1.05=567calを消費する一方、ポスチュアウォーキングでは60kg×4Mets×3×1.05=756 calを消費する計算となる。
続いて、ポスチュアウォーキング基本の歩き方をKIMIKOさんにレクチャーしてもらった。
ポスチュアウォーキング:基本の歩き方
意識するポイントは、【1】頭の位置、【2】足、【3】腕の3つ。

正しい姿勢はコレ!
【1】まずは、重心のとり方から。横から見て、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが後ろで一直線になるように立つ。頭の重さをまっすぐ、かかとにのせる。
「みなさん頭を前に落として前屈みで歩いていますが、頭の位置を背骨のまっすぐ上にのせると自然に背筋が伸びます。これが人間の本来のノーマルポジションです」(KIMIKOさん、以下「」内同)
ステップの踏み方(3段階)をチェック!
1:膝を曲げて足を前に出す
2:後ろの軸足は膝を曲げずにまっすぐ。左足も前へ出したら膝を伸ばす。
3:伸ばした後ろ足で地面を蹴り、足からウエストにつながるようなイメージでさらに伸ばす。足の筋肉は伸び、お尻も上がる。
【2】歩くときは、前へ出す足が主役ではなく、後ろに伸ばす足が主役。後ろに足で蹴って膝を伸ばすことで、前に体を押し出す。体重がのった軸足を地面にしっかり押し込み、後ろに蹴るようにして歩く。このときに、指までしっかり使って、体重をのせて蹴っていくとお尻の筋肉に“スイッチ”が入る。着地した足の膝は必ず曲げずに伸ばす。
「お尻が開いてしまうので内股はだめ。へっぴり腰で歩かないようにしましょう。膝は伸ばしきったまま後ろに蹴って、足を伸ばして着地します。膝は前に行くときだけ曲げます。弾まず、すーっと歩くイメージです。みなさん、着地している足が曲がっているから歩くときにバウンドしてしまうんですね」
かかとからつま先までを使った足の動きを確認
重要なのは、かかとからつま先まで足の裏全てを使って地面を蹴ること。3ステップで見てみよう。
1:かかとからじわっと着地
2:徐々に重心を前に移動する
3:指まで地面にぐっと押し当てる
「足の裏を押しつけるように蹴りましょう。下にぐっと踏ん張る分、膝と太ももが伸びて、ウエストまでがつながります。頭を後ろ重心気味に置いてぐっと蹴るのでお尻が上がるんです。鼠径部と膝が伸びるので、循環が良くなってむくみにくく、足のスリムアップにとても効果的です」
【3】腕は後ろにまっすぐ伸ばす。
「腕のつけ根から後ろに伸ばすと胸が自然に開くので、姿勢も胸の形もきれいになります。同時に背骨を支えるとても大切な筋肉を鍛えます。背中のお肉もすっきり! 脇を締めて後ろへ伸ばすと筋肉が引っ張られ、これがバストアップにつながります」
それでは、ウォーキングの流れを動画で見てみよう!
ウォーキングの流れを動画でチェック!
「じわっと蹴って前にそっと降ろす。ポスチュアウォーキングは優雅に見えて、実は歩きながらストレッチと筋トレをしている、非常にエレガントな究極の“ながら運動”なんです」
注意点として、靴はつま先部分がやや上がったものを。地面につっかかるのを防げます。ブーツやヒール、ぶかぶかの靴はNG。緩まないよう、靴ひもをしっかりと結ぶことが大事。
「前屈みで歩くと体重が前にのって膝などを痛めるので注意しましょう。お尻と足の筋肉をすごく使うので、十数分歩いただけでも効果的な運動になります。たとえば駅など目標地点まで行く“この5分やろう”という感じで、すき間すき間にやるといいですね」
日常動作の「歩くこと」をいつもより意識するだけ! いつでもどこでもできるこのウォーキングエクササイズで、美しいスタイルを手に入れてみては?
撮影/津野貴生
監修:KIMIKO
1961年生まれ。社会人と学生の2人息子の母。ポスチュア(姿勢)スタイリスト。ポスチュアウォーキング協会会長。産後の体型崩れを克服するためにウォーキングを学び始める。ウォーキングにより劇的な全身整形を体験し、独自のメソッド「ポスチュアウォーキング」を構築。雑誌やTVなど多数のメディアで取り上げられる。企業、病院、学校など、全国で講演やセミナーを開催しており、のべ10万人が受講している。
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