夏便秘に注意!原因と解消法|水分や食物繊維、キウイ、梅大根流しが効果的

冬にインフルエンザが流行ったり、夏に熱中症が増えたりするのは知っていたけど、まさか便秘は夏がハイシーズンだったなんて! 大汗をかきながら人知れず苦しんでいる人にこそ知ってほしい、一発でスッキリ解消するコツ、教えます。

苦しそうにお腹をおさえる女性

悩む人は多い「夏便秘」。解消法は?(写真/アフロ)

夏に便秘になる原因

便秘はもともと女性に多い症状。厚労省の調べでも、便秘を訴える人の数は1000人あたりで男性が24.5人なのに対し、女性は45.7人と2倍近くにもなる。全国で500万人以上の人が悩んでおり、しかも年々増加傾向にあるという。

『暑さに打ち勝つ! 腸の強化書』(海竜社)の著書がある、松生クリニック院長の松生恒夫さんが説明する。

「実際に診察していても、夏になると便秘を悪化させる人が急増するのを実感します。気候変動で暑さが厳しくなったことにより『腹部膨満感』や『硬便』などの症状を訴える人がさらに増えている。アメリカの研究では慢性的な便秘の人はさまざまな病気にかかりやすく、明らかに生存率が下がるという結果も出ている。暑い夏こそ、腸をいたわるべきなのです」

◆夏便秘の詳しいメカニズムとは?

「たかが便秘」と思いがちだが、実は生存率にまで影響しているとは驚きだ。専門家が警鐘を鳴らす「夏便秘」はどのようなメカニズムなのか。

「夏便秘とは、大腸の中がカラカラに乾いて“砂漠化”している状態といえます。そもそも口から摂取した水分の90%は小腸で吸収されて全身を巡り、便がある大腸には10%しか届きません。猛暑日に体温が上がれば、体を冷やすために大量の汗をかくので、さらに小腸で吸収される割合は多くなり、ほとんど大腸に水分がいかずに“砂漠化”し、便がカチコチになるのです」(松生さん)

年代、男女別、便秘の有訴者率グラフ

夏便秘を解消するカギは水分

日本で初の便秘外来を開設した、順天堂大学教授で医師の小林弘幸さんも水分摂取の重要性を説く。

「やはり夏に便秘を悪化させる人は多い。多量の汗によって脱水症状が起きて血流が悪くなれば、腸自体の動きも鈍くなって便が排出されにくくなる。それを見極めるポイントはお小水にあります。お手洗いに行く回数が減ったり、色が濃い場合は、脱水症状かもしれないと考えてください」

◆カフェイン含むドリンクには要注意

水分補給をしっかりすることで改善するかと思いきや、意外な落とし穴にはまっている人も少なくないようだ。管理栄養士の稲尾貴子さんはこんな指摘をする。

「水分を摂るのに、カフェインを多く含むお茶やコーヒーなどを飲んでいる人は要注意です。利尿作用が強く、せっかく摂った水分が尿として出てしまいます。同じ理由でアルコール飲料も避けるべきです。スポーツドリンクも糖分が多く、大量に飲むと糖尿病につながる危険があります」

◆自律神経が乱れる影響もある

さらに、水分不足以外の要因もあると小林さんが言う。

「夏はエアコンの効いた室内と外気温との温度差などが大きなストレスとなり、自律神経が破綻しやすい状況です。自律神経には、活動しているときに活発になる『交感神経』と、リラックスしているときに活発になる『副交感神経』があり、この2つでバランスをとって体の調子を整えています。

腸の動きは、リラックスしているとき、すなわち副交感神経が優位のときに活発になります。しかし、急激な温度変化によって体がストレスを受けると交感神経が優位になり、腸が弛緩して活動が鈍くなる。だから夏に便秘になりやすいのです」

この便秘、新型コロナウイルス感染症にもまったく無縁とはいえない。

「便秘をすると腸管の機能が低下して悪玉菌が勢力を増してしまうことから、免疫が低下してしまう可能性がある。つまり感染症にかかりやすくなる恐れがあるのです」(松生さん)

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の黄金比は「1:2」

オリーブオイル

オリーブオイルも効果的(写真/PXTA)

◆オリーブオイルや発酵食品も有効

夏便秘はどう対策すべきか。

「とにかく水分摂取。そこに食物繊維をバランスよく加え、さらにエキストラバージンオリーブオイルや発酵食品も摂るようにしてほしい」(松生さん・以下同)

便秘には食物繊維、とはよく聞くが、大切なのは「バランス」だという。

「食物繊維には、いもなどの穀物類やごぼうなどに多く含まれる『不溶性食物繊維』と、熟した果物や海藻類、きのこ類、大麦などに含まれる『水溶性食物繊維』があります。不溶性は便のかさを増しますが、腸内で水分を吸収してしまい、摂りすぎれば便秘の一因ともなりかねない。一方、水溶性は腸内に水を引っぱって便をやわらかくし、出しやすくしますが、下痢を招くことがある。慢性便秘の人に試してもらったところ、水溶性と不溶性を1対2の割合で摂るのがもっとも排便によいことがわかりました」

◆キウイフルーツにはバナナ2本分以上の食物繊維

なかでも「キウイフルーツ」は夏便秘に最適だそうだ。

「キウイフルーツ1個にはバナナ2本分以上の食物繊維が含まれるばかりか、水溶性と不溶性のバランスも理想的。そのキウイフルーツにエキストラバージンオリーブオイルをかけて食べてみてください。オリーブオイルは、脂肪の一種であるオレイン酸が豊富で、腸管を刺激し排便を促し、さらに便をやわらかくする作用があります」

キウイ

バナナ2本分以上の食物繊維が(写真/PIXTA)

これらに加え、松生さんは発酵食品をすすめている。

「発酵食品には乳酸菌や麹菌を含むものが多い。これらの菌は、腸内環境を良好に保つビフィズス菌を増やしてくれる。みそや納豆、ヨーグルト、甘酒、ぬか漬けなどから摂取できます」

おすすめのすっきり方法は「梅大根流し」

すでに夏便秘である人におすすめしたいのが「梅大根流し」。大根を昆布だしで煮て、梅干しを加えて食べる養生法だ。稲尾さんが解説する。

「大根を1cm幅に輪切りにし、昆布を入れてやわらかくなるまで煮て最後に梅干しをちぎりながら入れるだけ。味が薄くて食べにくければ、みそを加えてもかまいません」

梅干し

「梅大根流し」もおすすめ(写真/PIXTA)

実践する時間帯は、夕飯を軽く済ませた翌朝が望ましいという。

「プチ断食の効果が得られ、効果が上がります。空腹の状態でまずは煮汁をたっぷり飲み、それから大根と梅干しを食べることを繰り返してください。大根の食物繊維がブラシのように腸内をかき出す役割を果たすほか、梅干しのクエン酸が洗剤のように腸内を洗ってくれます」(稲尾さん・以下同)

◆梅大根流しを行うときの注意点は?

ただし、毎日のように梅大根流しを行うのはNGだ。

「頻繁に行うと腸を荒らしてしまう可能性がある。夏便秘で困ったときに限って試してみてください。また、持病のある人や通院中の人は自己判断で行わず、必ず事前に主治医に相談してください」

強力な便秘薬は、習慣化してしまうといずれ効かなくなる。食生活の改善こそ、厳しい夏の便秘を乗り切る唯一の“処方箋”なのかもしれない。

※女性セブン2020年9月3日号

●「梅流し」で便秘解消!梅干し+大根が腸の老廃物をかき出す究極のデトックス術
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