「空腹」を知れば痩せられる!?お風呂、歯磨き、白湯なども効果的

長かった自粛生活は明けたものの、その余波が、お腹まわりの脂肪となって表れ始めている人が続々。芸能界でも“コロナ太り”した人が、SNSで嘆いていたり…。問題は、食べたいと思ったときに食欲をいかにコントロールするか。

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肥満や早食いの人が食欲をセーブできない理由

見逃せないのが肥満の人や早食いの人ほど食欲がセーブできない点だ。脳科学と栄養化学から食行動を研究する京都大学教授の佐々木努さんが解説する。

「食欲中枢は脳の視床下部、弓状核にあり、ここに食欲を調節するホルモンが働きかけることで人は空腹や満腹を感じます。ところが太ると、食欲を抑えるホルモンの指令が脳に届きにくくなるのです」

食欲を抑制するホルモンは脂肪細胞から分泌されるレプチン、膵臓から分泌されるインスリン、小腸から分泌される消化管ホルモンの3つ。このうちレプチンは太ると食欲セーブの情報をうまく伝えられなくなり、満腹なことに脳が気づかず食べすぎてしまう。

◆空腹での”ドカ食い”は太る原因に

また、食事が小腸に届くことで“もう満足”の情報を出す消化管ホルモンが分泌され、脳幹から満腹中枢を刺激することで食欲は収まるが、それには20~30分かかる。

「そのため、よく噛まずに早食いすると、“もう満足”と感じる前に食べすぎてしまうのです」(佐々木さん・以下同)

インスリンは、正常に働いているうちは問題ないが、空腹で“ドカ食い”をして血糖値スパイクを繰り返すと、脂肪合成が促されて太る。

「いまの食事にはやわらかい食べ物が多く、よく噛まないで早食いすると満腹感が得られにくく、太りやすい。そして太れば太るほど食欲が制御できず食べすぎになりやすいのです。ですが、やせれば食欲は正常化します。自分自身の食べ方を、いま見直すべきです」

太らないためには「空腹を感じながら食べる」

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そこで注目すべきは、空腹をちゃんと感じながら食事をしているか?という点だ。

「空腹を感じる前にダラダラ食べ続けるのは、消化器官に負担がかかり体によくありません。その点、食べない時間帯を設けることは、内臓を休ませるために重要です」

食べすぎが生活習慣病や、さまざまな不調の要因とみる説もあるほか、空腹の利点に注目する専門家も少なくない。

◆記憶力、五感、自然治癒力が高まる

桜美林大学リベラルアーツ学群教授の山口創さんは、心理学の面から次のように語る。

「現代人が空腹を感じる前に食事することが多いのは、体の声を聞かず頭で食べているため。しかし、空腹をきちんと感じて食事の量や食べ方を改善すると、BDNF(神経細胞の発生や成長、維持や再生を促す脳由来神経栄養因子で、記憶を司る海馬に多く含まれるたんぱく質の一種)が作られて記憶力や勘、五感、自然治癒力が高まり、ダイエットや健康にもつながります」

空腹感は血糖値が下がると脳が感知する。そして、空腹を感じても食べずにいると、脂肪を燃やして体脂肪を減らすことができるのだ。

そこで、2人の専門家に、空腹との闘い方を聞いた。

がまんしすぎず、つらいときは甘いものを少量摂ろう

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■心理学者/山口 創さん

桜美林大学 リベラルアーツ学群教授。臨床発達心理士。日本ソマティック心理学協会 副会長。

「空腹の際は、がまんしすぎてドカ食いスイッチが入らないよう、あえて甘いものを少量摂るのもおすすめです。お腹の音がグーグー鳴る場合は、カカオ70%のチョコやあめを、時間をかけてなめるといいですね。血糖値が上がると脳が感知し、胃腸の蠕動運動を止める指令で、音も止まります。食事の際には、先に大きい粒や繊維の多いものから順番に食べるのも、食べすぎないコツです。

心理学の領域では、ヨガやマインドフルネス(瞑想)などを行うと心身ともにリラックスできるので、食欲も抑えられるといわれています。もし、空腹感に襲われたら、お茶や風呂、歯磨きなどの自分の動作にゆっくり集中すると、簡易的な瞑想効果が得られて空腹を忘れられます」

白湯を飲んで胃腸が温まると空腹のイライラが軽減

ベランダでカップを手に目をつぶる女性

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■フードコンサルタント/小倉朋子さん

トータルフード代表取締役。食事作法、食育、トレンド、箸、食文化、ダイエットなど、幅広い分野で活躍。

「私のおすすめは、白湯を飲むことです。空腹で、すごい枯渇状態になっていると、胃腸が最初に入ってきた食べ物を一気に吸収しようとします。でも、白湯なら余計な栄養成分もないですし、お水なので重量もあって、お腹にズシンとくる。しかも、温かいので、胃腸が温まって脳がリラックスするんです。

飲むだけで、空腹のイライラも減り、それなりに落ち着きますが、それでもダメなら、白湯の後にチョコレートやあめ、ガムを噛む。そのときは、すぐ噛まずになるべく口の中に長く置いておくのがコツ。脳が甘さを感じて、満足度がより高くなります。

白湯がなければ、甘くないカフェオレやミルクティーを。乳製品にも心を落ち着かせる作用があります。それと、目につくところや手の届く引き出しに、甘いものを入れておかないことも重要ですね」

※女性セブン2020年6月25日号

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