ホルモンの種類と働きを徹底解説!「エストロゲン」の抗ウイルス作用も注目

今日も外出自粛で、春の陽気にも心が躍らない…なぜか元気が出ないのは、ホルモンの不調のせいかもしれない。心と体を元気にするには、まず、彼らの声に耳を傾けるべし! ホルモンが乱れやすい春、家にこもりがちな今こそ上手に操って免疫力もアップしたいもの。健康と長寿を手に入れちゃいましょう!

女性にコロナ死者が少ないのはホルモンのおかげ?

窓際でほほ笑む女性

写真/ピクスタ

4月9日、菅義偉官房長官は記者会見で、新型コロナウイルスの感染者全体の約6割、亡くなった人の7割強が男性というデータを明らかにした。現在も日本以上の感染拡大が続くイタリアでは、男性の死亡者数は女性の2倍以上もあり、世界的にも男性の方が亡くなる割合が高いという。

◆エストロゲンは免疫力と密接な関係

その理由の1つは、女性ホルモンの「エストロゲン」が、免疫力と密接な関係があり、抗ウイルス作用があるからだと指摘されている。

成城松村クリニックの院長で婦人科医の松村圭子さんが言う。

「女性の体で一生のうちに分泌される女性ホルモンは、わずかティースプーン1杯程度。たったそれだけで、妊娠・出産をコントロールしたり、肌や髪、女性の感情にまで大きな影響を与えます。女性はエストロゲンのおかげで男性よりも内臓脂肪がたまりにくく、血管の老化を防ぐ作用によって脳卒中・心筋梗塞のリスクも低いといわれています。その半面、女性ホルモンのバランスが崩れたり、分泌量が減ったりすると、ほかのさまざまなホルモンに影響を及ぼし、うつや骨粗しょう症、免疫力低下のリスクが上がります」

ホルモンの働きとは?

写真/ゲッティイメージズ

そもそもホルモンとはなんなのか。ナビタスクリニック川崎の内科医・谷本哲也さんが解説する。

「ホルモンは、脳や腸など体のいろいろな場所から分泌されて血液に乗って運ばれ、ほかの細胞に作用します。代謝や食欲など私たちの体のさまざまな機能を調整することで、心と体の状態を一定に保つ物質です。複数のホルモンが常に互いに作用し合って心と体を支えているため、多すぎても少なすぎても心身によくない影響を与えます。ホルモンがバランスよく分泌され、充分に力を発揮できるように体調を整えることが大切です」

◆ホルモンの種類は100以上

ホルモンといえば、女性ホルモンの「エストロゲン」や「プロゲステロン」、興奮したときに分泌される「アドレナリン」「ドーパミン」などが有名だが、その種類はなんと100以上もあり、それぞれが健康維持するために働いている。

例えば、妊娠の準備をするために欠かせないプロゲステロンの働きによって、生理前の肌荒れやイライラが起こるように、どのホルモンにも“長所”と“短所”がある。

気温や気圧、環境の変化が大きい春は、ホルモンのバランスが乱れやすい時期。「最近なんとなく調子が悪い」「太りやすくなった」「寝つきがよくない」――そんな小さな不調は、もしかしたら、ホルモンによるものかもしれない。あなたの体の中で働く100以上のホルモン。その主なものだけでも特徴を知れば、不調を改善する手がかりがつかめるかもしれないのだ。

ホルモンの種類別、その役割とは?

体の中で日夜働いているホルモンは、人間と同じく個性豊か。やる気満々のときも、わけもなくイライラするときも、全部ホルモンのせいで、ホルモンのおかげ。私たちの体内に存在するホルモンは、脳、胃、腸、卵巣など、体のほとんどすべての臓器で作られ、血液に乗って別の臓器へ運ばれ、心身を健康に保つために働いている。

女性・男性ホルモンなどは「子孫を残すため」、インスリンなどは「エネルギーを作るため」、成長ホルモンなどは「病気を防いで健康でいるため」、セロトニンやメラトニンなどは「体のリズムを一定に保つため」に作用する。

それぞれのホルモンは、別のホルモンの材料になったり、互いに作用し合ったりすることでバランスを保っている。そのため、大きなストレスや強い光など、ホルモンの働きを超えるほどの刺激が加わるとバランスが乱れる。それに伴って体全体のホルモンの分泌量が大きく増減し、生体リズムが崩れてさまざまな不調が起こる。まずはどのホルモンがどう作用するのか把握しておこう。

◆プロゲステロン わが子第一!

プロゲステロンをイメージしたイラスト

女性ホルモンの一種。毎月生理前に卵巣から分泌され、妊娠に備えて子宮内膜を布団のように厚くフカフカにする。妊娠しないと子宮内膜がはがれて排出されて生理が起こり、分泌量が急激に減る。この急激な分泌量の変化が、イライラ、落ち込み、不安などにつながる。

◆エストロゲン “オンナの魅力”を一手に担う

エストロゲンをイメージしたイラスト

女性ホルモンの一種。異性への性的アピール力を上げるため、生理後から1週間ほどの間に分泌量が増える。体つきを女性らしくし、肌や髪の質を整え、骨を丈夫に保つ作用もある。そのほか、記憶力を上げ、情緒を安定させる。免疫力に深く関係し、減少すると免疫力が低下する。

◆セロトニン 太陽の光が大好き!

セロトニンをイメージしたイラスト

「神経伝達物質」の一種で、心の安寧を司る、別名“幸せホルモン”。大脳皮質に働きかけて意識をすっきりさせ、目覚めをよくするほか、痛みも和らげる。日光を浴びると増え、ストレスや睡眠不足で自律神経が乱れると分泌が減って、うつ病などの原因になる。

◆メラトニン あなたの安眠を守ります

メラトニンをイメージしたイラスト

セロトニンから作られる“睡眠ホルモン”。日光を浴びて14~16時間後に分泌量が増え、そこから2時間程度で眠気をもよおす。体内時計を整え、老化の原因になる活性酸素を取り除く作用もある。スマートフォンやパソコンのブルーライトを浴びると分泌量が減り、寝つきが悪くなる。

◆ドーパミン 猪突猛進にスリルを求める

ドーパミンをイメージしたイラスト

欲しいものを手に入れる、恋をするなど、ワクワクドキドキする体験をすると分泌され、一時的な快感を覚える。ギャンブルなど依存性のある刺激による興奮でも分泌される。やる気を出させる作用もあり、分泌量が少ないと、好奇心が薄れる。不足によってパーキンソン病の原因にも。

◆成長ホルモン 大人になっても“成長”は止まらない!

成長ホルモンをイメージしたイラスト

睡眠中に脂肪を分解してエネルギーに変えやすくし、細胞の修復をするほか、疲労回復にも役立つ。睡眠時間や運動が足りないと分泌量が減って、メタボ傾向になる。成長ホルモン注射などの施術で量が増えすぎると、がんになる危険性もある。

【次ページ】ダイエットや健康のカギを握るホルモンがズラリ!

◆プロラクチン ママの心と体をサポート

プロラクチンをイメージしたイラスト

乳腺を発達させ、母乳を分泌させる、別名“ミルクホルモン”。多すぎると排卵が抑制されて妊娠しづらくなる一方、少なすぎると母乳が出にくくなる。プロラクチンが分泌されている状態ではドーパミンが減っており、物欲や性欲が自然と抑えられるようになっている。

◆コルチゾール ストレスから身を守る。けど、頑張りすぎると…

コルチゾールをイメージしたイラスト

精神的・肉体的ストレスを感じると、身を守るために血糖値を上げてほかのホルモンの働きを高める“ストレスホルモン”。正常に分泌されればストレスに強くなり代謝も上がるが、過剰分泌されると体が追いつかず、強い疲労感や免疫力の低下、肥満、うつ傾向が出る“諸刃の剣”。

◆テストステロン “デキる女”のそばにいる

テストステロンをイメージしたイラスト

男性ホルモンの一種。女性の場合、副腎や卵巣から分泌されて女性ホルモンのもとになる。分泌量が多いと、決断力やチャレンジ精神、リーダーシップが高い傾向に。半面、にきびが多く多毛の傾向がある。テストステロンの分泌が多い女性は左手の薬指が人差し指より長いといわれる。

◆β-エンドルフィン カ・イ・カ・ンで “走り抜ける”

β-エンドルフィンをイメージしたイラスト

食事、入浴、スキンシップなど、心地よい体験により分泌。ランニングや筋トレなどきつめの運動でも分泌され、高い鎮痛効果ゆえに“脳内モルヒネ”と呼ばれる。「ランナーズハイ」はβ-エンドルフィンの仕業。これにより得られる快感はアンチエイジングにつながる。

◆食後の“お片づけ”はおまかせあれ インスリン

インスリンをイメージしたイラスト

食後にすい臓から分泌され、糖をエネルギーに変えて血糖値を下げる。過剰に糖質を摂るなど、生活習慣が乱れている場合や、膵臓が疲れて分泌量が減ると糖尿病につながるほか、免疫力が低下する可能性も。脂肪をため込む作用もあり、分泌が多すぎると低血糖、肥満に。

◆ノルアドレナリン・アドレナリン 意外と繊細な双子のホルモン

ノルアドレナリン・アドレナリンをイメージしたイラスト

緊張や不安を感じると即、分泌。心拍数や血圧を上げて脳を働かせ、臨戦態勢にする“戦闘ホルモン”。過剰に増えるとイライラやミスを誘発。その状態が続くとうまく分泌できなくなり、かえって無気力に。自律神経を乱し、ほかのホルモンの分泌の乱れや免疫力の低下を引き起こす。

◆レプチン 食べれば食べるほどブクブク増える

レプチンをイメージしたイラスト

空腹が満たされると分泌され、「食べなくていい」と脳に指令を出す“満腹ホルモン”。脂肪細胞から分泌されるため、脂肪が増すと分泌量が増加。しかし、肥満が進むとレプチンが効かなくなり、かえって食欲が止まらなくなる。睡眠不足でも効きにくくなる。

◆グレリン 「ハングリー精神」で健康を保つ

グレリンをイメージしたイラスト

空腹により分泌され、脳に食事を促す“空腹ホルモン”。空腹時に代謝や体温を下げるほか、胃腸の機能を高めたり、成長ホルモンの分泌を促してアンチエイジングに貢献したりする作用も。常に満腹だと分泌されにくくなるため、充分に空腹を感じてから食事することが必要。

◆アンジオテンシンⅡ 血圧を上げても悪者じゃない

アンジオテンシンⅡをイメージしたイラスト

血圧が下がると大量に分泌され、血管を縮めて血圧を上げる。さらに脳に指令を出し、血圧を上げる作用のある塩分の多い食事が食べたくなるようにする。運動不足や肥満により過剰分泌されて高血圧になり、動脈硬化などになることもあるが、少なすぎると低血圧に。

◆パラトルモン(副甲状腺ホルモン) 多すぎても、少なすぎてもダメ

パラトルモン(副甲状腺ホルモン)をイメージしたイラスト

血液中のカルシウム濃度が少ないと、骨からカルシウムを溶かして血中に送ったり、腸からのカルシウム吸収を促したりして調整を行う。多すぎると骨のカルシウムが使われすぎて骨粗しょう症を招くことが。少なすぎると低カルシウム状態になり、筋肉のけいれんなどを起こす。

イラスト/カツヤマケイコ

※女性セブン2020年4月30日号

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