コロナ禍のストレス解消にお風呂!睡眠不足、心配事が消えない…など悩み別入浴法

入浴は、ウイルスや花粉を洗い流せて、気分もスッキリできる。免疫機能向上、血流改善、美肌など入浴の効能はいわずもがなだが、現在のストレスフルな状況でもっとも注目すべきが自律神経を整える作用だ。積極的に活用したいところだが「寝る前に熱い湯に長く浸かる」など、入り方を間違えると逆効果になることもあるという。コロナ禍を元気に乗りきる正しい入り方をお風呂の達人に聞きました。

お湯の温度や入浴時間、広い浴槽で自律神経を整える!

銭湯の内観。湯船や洗い場、富士山の絵が描いてある

写真/ピクスタ

「入浴は、手軽に実践でき、かつ科学的に効果が実証されているリフレッシュ手段といえます」と、温泉療法専門医の早坂信哉さんは言う。

人間の体温や血圧を支配する自律神経には、交感神経と副交感神経があり、どちらかが優位になることで感情が左右される。

「人間が管理できない自律神経を支配できるのが入浴。熱い湯で交感神経が刺激されて行動的に、ぬるめなら副交感神経が活発になり、リラックスモードになります」(早坂さん・以下同)

2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さんは、シャワーを浴びている最中にiPS細胞のアイディアがひらめいたという逸話があるが、入浴と発想には何か関連があるのだろうか?

「シャワーと発想との関連はわかりません。ですが、銭湯なら、その可能性はあるかもしれません。以前、広い浴槽と狭い浴槽で入浴した人の脳波の違いを調べた研究者がいて、広い浴槽に入った人の方に、ひらめきにつながるアルファ波が強く出たという結果も出ています。また、天井が高く開放的な浴場の中では、湯音や桶の“カーン”と当たる音が響き渡り、深い癒し効果になったという声もありました」

◆銭湯を利用する人は幸福度が高く、精神状態も良好

銭湯をよく利用する早坂さんは、その魅力を、「旅に出たような“転地効果”が味わえます。また、銭湯を利用する人はそうでない人に比べて幸福感が高いという調査結果も得ています(下グラフ参照)。ウイルス感染も気になりますが、銭湯はガスや水道と同じライフラインの1つ。基本的に通気性がよく、衛生管理もきちんとしています」

銭湯に行く人といかない人の幸福度、精神状態をグラフで表し、比較している

タイル画の富士山を眺めながらの銭湯浴も、いい気分転換になりそうだ。

※銭湯では、それぞれ新型コロナウイルス対策に関する注意喚起をしている。行く前に確認を。

「お悩み別」入浴法|ひらめき、リラックスも!

ひらめきもリラックスも入り方次第。睡眠不足や、心配事が頭から離れない、忘れっぽいなどお悩み別の入浴法について解説します。

◆睡眠不足・イライラの解消には「アロマテラピー」

洗面器にアロマオイルを入れているイラスト

「お風呂に入った後、なかなか寝付けない」「ささいなことでイライラし、家族とけんかに」などの症状があるときは、高ぶった交感神経を落ち着かせること。熱い湯はイライラの大敵だ。

睡眠不足やイライラの解消に適した湯温は「副交感神経を刺激し、交感神経を抑える40℃くらいがいいでしょう。浴槽に浸かるのは10分から、長くても15分までがおすすめです」

その後、風呂上がりの体が温かいままベッドに入ると、質のよい睡眠をとることができない。

「人間は体温が急激に下がると眠くなります。40℃の湯であれば、風呂から上がって約90分後がちょうど睡眠に適した体温になります。その頃布団に入るといいですよ」

また、浴室の照明が蛍光灯のような白い光だとメラトニンが抑制されて目が覚めてしまう。白熱灯のような温かい光に変える、または、部屋を薄暗くするのも有効だ。

「イライラするときは、湯を張った洗面器にリラックス効果のあるアロマオイルを数滴たらし、香りを楽しむのもいいですね。感情を解放するラベンダーがおすすめです」

オイルは肌に刺激を与えることもあるため、浴槽に直接入れず、洗面器での使用を忘れずに。

◆クヨクヨ・ウジウジしてしまうなら「マインド“フロ”ネス」

ゆっくり深呼吸をしている女性のイラスト

「心配事が頭から離れない」「お風呂に入るとよけいに考えてしまう…」。そんなときは、世界中の経営者の間でも実践される「マインドフルネス」を取り入れて、雑念を追い払おう。

入浴中はひとりきり。テレビの雑音もなく、ついつい心配事が頭をよぎって離れないという人も少なくない。

「考え事にはポジティブな側面もありますが、悩んだり、クヨクヨしてしまうときは、瞑想や、何かに集中して雑念を取り払うマインドフルネス、私はあえて『マインド“フロ”ネス』と言ったりしますが(笑い)を、取り入れてみてはどうでしょう。実際のマインドフルネスは難しいので、たとえば鼻から息を吸って、口から細く吐く腹式呼吸にひたすら集中してみるのもおすすめです」

入浴中の腹式呼吸は水圧がかかるため、呼吸筋のトレーニングにもなり、鼻の通りもよくなって気持ちもサッパリ。一石二鳥にも、三鳥にもなる。浴槽に浮かせるLEDのバスライトなどで幻想的なムードを演出するのも、気分転換には最適だ。

◆ここ一番というときパワーが出ないなら「温冷交代浴」

42度の湯船につかった後、30度のシャワーを浴びている女性

「注意力が散漫で、人の話が入ってこない」など、集中力を高めたい、気合を入れたい場面では、交感神経を充分に働かせる入浴法を実践してみよう。

「朝は、目覚めに熱いシャワーを浴びるといいといわれますが、その通り。夜入るよりも朝風呂の方が体に強く刺激を感じられるので交感神経が刺激されて、気分がシャキッとします。湯温は42℃くらいで、浴槽に浸かるなら5分くらいがいいでしょう。ちなみに40℃の湯に入ってしまうと、2時間後には眠くなってしまうので逆効果です(笑い)」

さらに、気合を入れたいなら、温冷交代浴がいいという。

「約42℃の熱めの湯に3分浸かり、冷シャワーを30秒~1分かける。これを2~3回繰り返すことです。シャワーは30℃くらいでも充分冷たく感じるので、冷水でなくてもOKです。

まずは、手足にかけてみて、余裕があれば体の中心にもかけてみましょう。熱・冷の温度差が交感神経を適度に刺激し、とてもスッキリしますよ」

出るときは、体が冷えると血流が悪くなるため、シャワーではなく、熱い湯に浸かって体を温めた状態で上がるのがいいそうだ。

◆ぼんやり・忘れっぽいなら「軽い水中エクササイズ」

浴槽で首を倒すエクササイズや、身体をひねる運動をしている女性のイラスト

首を前後に倒す(上)、脇を左右にひねる(下)などの簡単な運動を、ゆっくりと行う。

「何を見てもなんだかぼんやり、感動がない」「近頃、落ち着きがなく、忘れっぽい」など、家に閉じこもっていると感情が単一化しがち。そんなときこそ、浴室をトレーニングジムに!

「近頃、忘れっぽい」という現象は、年を重ねれば誰でも思い当たるふしがある。そういうときは、浴室で適度に体を動かし、脳に刺激を与えよう。

「認知症予防対策として、軽い運動を行うことは、脳を活性化させるので効果的とされています。脳の働きを活発にするという観点でいえば、お風呂の中でできる軽い運動を取り入れてみてはいかがでしょう。体を動かすので湯温は38℃くらいのぬるめにして、上図のような運動や、腕や脇、ふくらはぎのストレッチ、手首や足首回しなど、湯船で無理なくできる運動ならなんでもOK。くれぐれも、ゆっくり、やさしく行うこと。頭を強く振るのは危険です。また、ぼんやりする原因として睡眠不足も考えられますから、そうしたときは先に紹介した入浴法を試してみてください」

入浴だけでなく、昼間の散歩など軽い運動を週2~3回、約20分続けるのもおすすめだ。

教えてくれたのはこの人:早坂信哉さん

東京都市大学人間科学部教授。温泉療法専門医。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。著書に『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案』(大和書房)。

イラスト/えのきのこ

※女性セブン2020年4月16日号

●時短で!夜のボディー&スキンケア|温まる入浴法と入浴後の保湿テク
●お風呂のちょうどいい温度|12症状別、おすすめの温度と浸かる時間
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