運動では痩せない?ダイエット外来医師がすすめる「NEAT」で痩せる方法

お腹がポッコリ出ていて、食べるのも飲むのも大好き。結果、血糖値、コレステロール値、血圧は高めと診断される。そんな“内臓脂肪太り”のあなたは、今すぐ生活習慣を見直そう。

写真/アフロ

著書『内臓脂肪を減らす食べ方』(日本実業出版社)が話題を呼んでいるダイエット外来医師・工藤孝文さんは、「内臓脂肪は落ちやすい脂肪です」と断言。運動で落とす方法について解説してくれた。

工藤さんは「『ジム通いやジョギングをすればいい』というのは間違いです。運動だけでは痩せません」と言い切る。

「体重を1kg落とすのに必要な運動量はフルマラソンなら2回分、合計84km超です。また、おにぎり1個分のエネルギーをウォーキングで消費しようとしたら、1時間歩き続ける必要があります。しかもこれらは継続しなければ実を結びません。かなり非効率だと思いませんか?」

さらに、運動嫌いの人が運動をするとストレスが溜まり過食へとつながりかねない。そのため、無理な運動をするなら、食べ方を工夫した方がよほど効率的なのだという。

特別な運動より、毎日の“マメな動き”「NEAT」とは?

オフィス街を歩く女性

写真/ゲッティイメージズ

そこで工藤さんが提案するのが、「NEAT」法。

「NEATは、非運動活動によるカロリー消費を意味します。つまり、ランニングや筋トレなどのいわゆる運動によるエネルギー消費ではなく、家事や通勤、椅子の立ち座り、階段の上り下りなど日常動作によるエネルギー消費です。

身体活動には、運動と運動以外の活動がありますが約8割を占めているのは後者。肥満に大きくかかわるのはこの非運動活動によるカロリー消費なのです」

3日に一度ランニングをするより、毎日階段の上り下りなどこまめに動く方が大切なのだ。

階段の上り下りがきつければ、歯磨きや食事のときに背筋をピンと伸ばす、来客時は座りっぱなしなのではなくマメにお茶を取り換える、部屋が汚れたらこまめに掃除機や拭き掃除を行う、お風呂掃除やトイレ掃除もサボらず毎日行う――といった、特別なことではなくてもいいので、日常的に動くことがポイントだ。家がきれいになり、痩せられるなんて一石二鳥ではないか。

“プチ断食”でデブ体質を断ち切る

ボトルから水をグラスに注ぐ女性

写真/ゲッティイメージズ

「肥満体型で痩せたいのにどうしても食事の量を減らせない人には、プチ断食をおすすめしています」と工藤さん。

「1日から始めてみて、不調を感じなければ2日程度続けましょう。断食を行うことで普段の食事量がリセットされ、量を減らすことが容易になります」

断食の注意点は、3つ。

「前日の昼食から夜にかけてはジャンクフードなどを食べず、栄養バランスの高い食事をして胃腸を整えること。断食中は、脱水症状にならないように水、お茶、生の果物を絞ったジュースやスムージーなどの水分は摂りつつ、固形物はとらないようにすること。断食が明けた朝は、汁物やおかゆなどから徐々に食べ始めることです」

平日に行うと食べ物のことばかり考えてしまい仕事にならない恐れがあるので、休日に試してみよう。もちろん、妊婦や授乳中など、断食してはいけない人もいるので、行う前はかかりつけ医に相談を。

睡眠不足がデブホルモンを増殖させる

夜中スマートフォンを見つめている女性

写真/ゲッティイメージズ

睡眠不足も肥満の原因になることをご存じだろうか。特に、運動をしていないのにやたらお腹が空く――。そんな日は睡眠不足の可能性がある。

「睡眠不足になると、食欲を増進するデブホルモン、グレリンの分泌が増え、一方で食欲を抑える痩せホルモン、レプチンの分泌が減ります。睡眠時間が4時間以下の人は7~9時間の人よりも73%も肥満になりやすいという研究データもあります」

また、夜ふかしによって、食べる時間が夜遅くにずれこむのも肥満の原因になる。

「1日の食事量の25%以上を夕食や夜食で取る、いわゆる夜食症候群も要注意。時計遺伝子の1つに、糖を脂肪に変えるたんぱく質、ビーマルワンがあります。このビーマルワンの働きが低下する14~16時は高カロリーなものを食べても脂肪がつきにくいのですが、16時以降に徐々に増え、24時くらいにピークに達します。つまり、夜遅くに食べると、同じもの、同じ量を食べていても、より多くの脂肪が蓄えられてしまいます」

21時以降に食事やおやつを食べたり、寝る前に何か食べないと眠れない、という人はその習慣を見直そう。

こうしたさまざまな行動を見直すだけで、つらい運動をしなくても痩せられる。まずは、家の中で日常的に動くことから始めてみては。

教えてくれたのは:工藤孝文さん

工藤孝文さんの顔写真

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。ダイエット外来・糖尿病内科・漢方治療を専門とし、『あさイチ』(NHK)『ガッテン!』(NHK)『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)減量外来ドクター、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)肥満治療評論家・漢方治療評論家など、メディア出演多数。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指定医。

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