「腰痛・肩こりは40℃で10分」等つらい12症状別、オススメのお風呂温度と入る時間が丸わかり

「入浴は、手軽に毎日無理なく実践できる優れた健康法です」(医学博士・早坂信哉さん)。入浴に関する調査を20年間、延べ3万8000人以上に行ってきた早坂さんに、心身ともに健康になれる入浴法を教えてもらいました!!

家庭の風呂につかってリラックスする女性

ちょっとの工夫でバスタイムが変わる!(写真/ゲッティイメージズ)

入浴の7大作用

血流&新陳代謝がアップ「温熱作用」 血流がよくなり、体にたまった老廃物などが体外に排出されるため、疲れがとれる。肩こりなど慢性の痛みも緩和。

●足のむくみを解消!「鎮水圧作用」
水圧によるマッサージ効果で、下半身にたまった血液や体液が押し戻されてむくみを解消。

●体が軽くなりリラックス「浮力作用」
水中では、体重が10分の1になるため、重力から解放され体がリラックス状態に。関節への負担や筋肉の緊張も緩む。

●皮膚の汚れがキレイに「清浄作用」
湯につかるだけで毛穴が開き、皮膚の汚れや皮脂がしっかり落とせる。

●免疫力がアップ「蒸気作用」
鼻やのどの粘膜に湿り気が与えられることで、免疫力が高まる。風邪予防にも◎。

●ストレッチ効果を高める「抵抗性作用」
水の粘性・抵抗性によって、簡単なストレッチでもお風呂で行うと効果が高まる。

●究極のリラックス空間!「開放・密室作用」
ひとりで裸になれる浴室は心と体が開放されるので、ストレス解消効果が高い。

入浴が要介護のリスクを下げる

「毎日の入浴によって健康寿命を延ばすことができる」と言う早坂さんの研究チームが約1万4000人の高齢者を調査したところ、毎日浴槽で入浴をしている人は、3年後に要介護状態になるリスクが、毎日入浴しない人と比べて29%も低いことが判明した。

さらに特筆すべきなのが、精神面に与える影響。早坂さんが静岡県の3054人に行った調査では、毎日浴槽につかる人はそうでない人と比べて、主観的健康感(自覚する健康状態)や幸福感も高かったのだ。

周囲にキャンドルなど癒しアイテムがおかれた浴室のバスタブでリラックスする女性

写真/アフロ

「温熱作用で疲れがとれたり、浮力作用でリラックスできるなどの効果が、幸福感につながると考えられます」(早坂さん・以下同)

これだけの効果が証明されている入浴。「めんどくさい」とシャワーですませずに、毎日しっかり浴槽につかって、健康な体と満ち足りた心を手に入れよう!

続いて、つらい症状を改善する入浴法をチェック。オススメの入浴温度&時間も紹介します。

やる気がでない→42℃/5分

熱めの湯の刺激で交感神経が働く
気分が落ち込んで何もやる気が出ないというときは、交感神経に働きかけるために、42℃程度の熱めのお湯に5分ほど入るのがおすすめ。「また、うつ病の予防には、38℃程度のぬるめのお湯に毎日ゆっくりつかってリラックスすることが効果的だと考えられています」。

冷え症→40~41℃/10分

ぬるめの湯にゆっくりつかれば保温効果大
冷え対策には、40~41℃のお湯にゆっくりつかるのが◎。「寒いと42℃以上の熱めのお湯に入る人もいます。これは一時的には体温が上がるのですが、実は逆効果。41℃の湯に10分つかった後の方が、1時間後も体の温まりが保たれるというデータもあります」。

腰痛・肩こり→40℃/10分

シャワーを腰に10分間当てている女性のイラスト

シャワーのうたせ湯効果で痛みを緩和
慢性的な腰痛・肩こりは、40℃のお湯に10分つかる。肩までしっかりつかって全身を温め、緊張した筋肉に血流を巡らせることが大切。「さらに痛みのある部分に、シャワーを当ててマッサージするのも効果的。腰は約10分、肩は左右各5分ずつが目安です」。

疲労→40&30℃/入浴3分+シャワー30秒

手の甲にシャワーを当てている女性のイラスト

温冷交代浴で疲労の原因物質を減少させる
40℃のお湯に3分肩までつかった後、30℃程度のぬるま湯を手足の先にシャワーで30秒かける。これを3回繰り返す。「最後はお湯につかってから出ます。血管の拡張と収縮が繰り返されることで血流が改善し、疲労で発生した炎症物質が減少するため疲れがとれます」。

更年期障害→40℃/5分+5分+10分

反復入浴で自律神経の働きを整える
「40℃の湯に毎日5分→5分→10分と反復して入ることで更年期障害の症状が改善したという研究結果があります」更年期障害の原因となる自律神経の乱れを正常に戻すためには、毎日決まった時間に入浴して生体リズムを整えることも大切。

高血圧→38~40℃/15分

ぬるめの入浴には血圧を下げる効果あり
ぬるめの湯に15分ほど入るのがおすすめ。ぬるま湯の入浴は血管を広げて血流をよくするため、結果的に血圧を下げる効果がある。「入浴後8時間、血圧が下がる効果が続くというデータもあります。冬場は寒い脱衣所から熱い湯につからないよう気をつけて」。

便秘→38~40℃/15~20分

お腹に両手の手のひらを当て、「の」の字を描くようにマッサージする女性のイラスト

ぬるめの湯につかってお腹をマッサージ
38~40℃のぬるめの湯にゆっくりつかりながら、浴槽の中でお腹に「の」の字を描くようにマッサージするのが、便秘の改善に効果的。「便秘の原因はさまざまですが、自律神経の乱れも大きな原因です。ぬるめの湯につかって副交感神経を刺激しリラックスすると、胃腸の働きが活発になります。精神的なストレスが原因の便秘の解消にもつながります」。

不眠→40℃/20分

女性が時計を見ながら「あと1時間で寝るからそろそろお風呂に入ろう」と言っているイラスト

就寝1~2時間前にゆっくり入浴する
「人間は体温が下がっていくときに眠くなります。よって寝る1~2時間前に、40℃の湯に20分つかっていったん体を温めておきましょう。ちょうど寝る頃に体温が下がるので、すーっと眠ることができます」。また、悩みや考え事が頭の中を巡って眠れないときも、ひとり裸でリラックスできるお風呂は、頭の中を整理してリセットする空間としても有効。

頭痛→38~40℃/15分

筋緊張性頭痛はぬるめの湯で温めると痛みが改善
慢性の頭痛には、後頭部から肩にかけて重苦しい痛みがある筋緊張性頭痛と、ズキンズキンという痛みが特徴の片頭痛の2種類がある。「筋緊張性頭痛は、肩や首、頭まわりの筋肉の緊張が原因。38~40℃の湯に15分ほど入り、筋肉を和らげ、血流をよくすることで痛みが改善します。片頭痛は、頭の中の血管が拡張することでまわりの神経が圧迫されて痛みが出ます。湯船につかると血管が拡張して痛みを悪化させてしまうので、お風呂は厳禁です」。

疲れ目→38~40℃/15分

ホットタオルを目の上にのせている女性

ホットタオル当てとマッサージを交互に
38~40℃のぬるめの湯に15分程度つかりながら、ホットタオルを目の上に当てるのと、目のまわりのマッサージを交互に行う。「疲れた目のまわりを温めて血流をよくしましょう。目のまわりに酸素が送りこまれて疲労物質が取り除かれるので、疲れが改善します」。

アトピー性皮膚炎→38~40℃/15分

肌のバリア機能を守るためぬるめの湯で体を清潔に
42℃以上の熱い湯は、かゆみを生むヒスタミンという物質を作ってしまうのでNG。皮脂や角質層のバリア機能を変化させない、ぬるめの湯にゆっくりつかって。「湯につかるだけでも皮膚が清潔になり、症状を悪化させる雑菌を減らします。ソープはできるだけ肌に刺激の少ないものを選び、かゆくてもゴシゴシこすらないようにしましょう」。

花粉症→38~40℃/15分

ぬるめの湯で血流をよくして鼻づまりを解消
かゆみを悪化させないために、花粉症にはぬるめの湯がおすすめ。体や髪についた花粉を洗い流すためにも毎日入浴を。「鼻づまりは、鼻の奥の粘膜の下の毛細血管に血がたまり腫れているのが原因。入浴で血流をよくすると一時的ですが鼻づまりは解消します。またお風呂で湯気を吸うと、花粉やアレルギー物質が洗い流されます」。

42℃を境に入浴の効果が真逆に

泡風呂に入っている女性が泡を手に取って吹き飛ばしている

写真/アフロ

早坂さんによれば42℃を境に入浴の効果が真逆に変化するという。

「私たちの体にある自律神経は、42℃以上の熱い湯に入ると、交感神経が刺激され興奮状態に。40℃程度のぬるめの湯に入ると、逆に副交感神経が刺激されて心身がリラックスします。わずかな温度差によって体に及ぼす効果が変わるので、注意が必要です」

症状別の入浴の仕方は上記のとおりだが、安全かつ効果的に入浴するための基本ルールがある。

●入浴前後に水分を補給する。おすすめはミネラル入り麦茶。
●冬は脱衣所を暖め、浴室も蒸気を立たせて温度差をなくす。
●手足の先から心臓に向かってかけ湯をしてから入る。
●湯船には足先からゆっくり入り、みぞおちまでつかった後、ゆっくりと肩までつかる。
●浴槽から立ち上がるときは、手に水をかけて立ちくらみを予防。
●飲酒し酔っているときはお風呂に入らない。
●浴槽では居眠りをしない。

これらの基本を押さえておけば、血圧の急激な変化や熱中症を予防できるので、入浴中の脳卒中や心筋梗塞などのリスクを減らすことができるという。日本人の健康を守ってきたお風呂に感謝!!

教えてくれた人:東京都市大学人間科学部教授・早坂信哉さん

温泉療法専門医。医学博士。日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。入浴を医学的に研究し、『最高の入浴法』(大和書房)など著書多数。

※女性セブン2019年1月3・10日号

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