「毎日、野菜を食べているから食物繊維は充分」と、安心しているアナタ、実は食物繊維不足かもしれません!
日本人の成人男性は20g以上、成人女性は18g以上が1日の目標摂取量(※厚生労働省『日本人の食事摂取基準2015年版』による)となっているが、『平成27年国民健康・栄養調査』(厚生労働省)では40代女性は13g、50代女性は14.4gしか摂れていないという結果が出ているのだ。

食物繊維たっぷりのおすすめ春野菜ベスト5(写真/アフロ)
食物繊維を摂取することの大切さを、赤坂ファミリークリニック院長の伊藤明子さんは、次のように話す。
「食物繊維は、便の量を増やして便秘を防ぐなど、腸の健康に欠かせません。では、どんな野菜でも摂ればいいかというと、そうではありません。便秘解消のためにと、不溶性食物繊維が多いこんにゃくばかりを大量に食べて腸閉塞を起こす女性もいますが、食物繊維には水溶性と不溶性があり、女性に多い便秘予防には、両方をバランスよく摂る必要があります」
さらに食物繊維は、腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を整えるためにも必須だ。
「人間の免疫機能の5~6割を腸が担っています。腸内環境が整って腸が健康になると、全身の免疫力もアップし、さまざまな病気にかかりにくくなります。また、腸の健康は脳にも影響しており、腸の免疫が下がると判断力や記憶力の低下にもつながります」(伊藤さん・以下同)
腸のみならず、全身の健康のために食物繊維は不可欠だ。伊藤さんがすすめる食物繊維が豊富な5種類の野菜と、調理法をさっそく食卓に取り入れて、GWを楽しむためにもパワーを充電しておこう!
水:100gあたりに含まれる水溶性食物繊維の量
不:100gあたりに含まれる不溶性食物繊維の量
出典/文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』
キャベツ
水:0.4g 不:1.4g
●有害金属を体内から排泄させる作用がある
●胃腸の働きをよくする ビタミンUも豊富
【おすすめレシピ】:「せん切りキャベツの塩昆布ツナサラダ」
キャベツ3枚をせん切りにし、塩昆布10gとツナ缶小1缶を汁ごと加えて手でもみ込むように混ぜる。レモン汁としょうゆで味を調えて、せん切りにしたしそ適量を混ぜれば、完成。
「有害金属を排出する働きのある含硫化合物を多く含むため、腸がきれいに。胃腸の働きをよくするビタミンUも豊富です」
キャベツをしんなりさせる調理法や、スープにすると量が摂取しやすい。
カリフラワー
水:0.4g 不:2.5g
●ビタミンCが多く抗酸化作用がある
●有害金属を体内から排出させる含硫野菜でもある
【おすすめレシピ】:「カリフラワーのミルクスープ」
小房に分けたカリフラワー200g、みじん切りにした玉ねぎ1/6個とベーコン1枚をオリーブ油で炒め、水1カップとコンソメスープの素小さじ1で煮る。牛乳1カップを加え塩・こしょうで味を調える。最後に刻んだアーモンドを散らす。
「含硫化合物を含む野菜の仲間で、ビタミンCも豊富。ビタミンCは水に溶けやすいので、スープにして飲むのがおすすめ」
ナッツ類などのビタミンEと一緒に摂ると抗酸化作用がアップ。
ごぼう
水:2.3g 不:3.4g
●水溶性と不溶性の食物繊維のバランスが◎
●皮をむかず、水にさらさず料理を!
【おすすめレシピ】:「ごぼうと豚こまのしぐれ煮」
ごぼう1本をささがきにして、せん切りにしたしょうが1片と豚こま肉120gをごま油で炒め、しょうゆ、みりん各大さじ1と1/2、砂糖大さじ1、水1/4カップを加えて、汁けがなくなるまで炒め煮にする。
「水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく含む食材です」
皮にはポリフェノールが多いので皮をむかず、えぐみには抗酸化作用があるので水にさらさずに料理するのがポイントだ。
ブロッコリー
水:0.7g 不:3.7g
●ビタミン・ミネラルが豊富で栄養バランスが◎
●油と摂るとβカロテンやビタミンEの吸収アップ
【おすすめレシピ】:「ブロッコリーのトマトマリネ」
小房に分けてさっとゆでたブロッコリー1/2個と、粗いみじん切りにしたトマト小1個と玉ねぎ1/8個を、ポン酢しょうゆ大さじ2とオリーブ油小さじ2で和える。
「ビタミンC、E、鉄、カルシウム、βカロテンなどを含み栄養価に優れた野菜です。茎も捨てずに食べて」
βカロテンとビタミンEは油と一緒に摂ると吸収がよくなる。
パセリ
水:0.6g 不:6.2g
●ビタミンが豊富で抗酸化作用に優れている
●パセリソースにすればたっぷり摂取できる
【おすすめレシピ】:「パセリソース」
パセリ2~3枝(30g)とオリーブ油1/4カップ、パルメザンチーズ大さじ2、にんにく1片、ローストカシューナッツ15g、塩小さじ1をミキサーでなめらかになるまで攪拌する。清潔な保存容器に入れて、冷蔵庫で10日ほど保存可能。
「ビタミンA・B・C・E・K、鉄、カルシウム、マグネシウムなど栄養価に優れ、抗酸化作用が高い野菜。パセリソースにすれば、肉や魚と一緒にたっぷり食べられます」
※女性セブン2018年4月26日号
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