運動をするとヤセにくくなる?運動指導者・森拓郎さんに聞くヤセる食べ方

ダイエットを決意すると、運動を始める人は多い。ところが、「運動するとヤセにくくなる」と、運動指導者の森拓郎さんは言う。

森さんは著書『ヤセたければ走るな、食べろ! – みるみる腹が凹むズルい食べグセ – 』(ワニブックスPLUS新書)で運動することよりも、「食事が10割」と食事の重要性を説く。同書では、運動したくない人やストイックな食事制限なんて無理!という人でも簡単にできる、「ヤセる食べグセ」をクイズ形式でわかりやすく指南している。

diet_fotoco

運動よりも大事なのは食事!? 「ヤセる食べグセ」を解説(写真/アフロ)

Q:運動すると?

×「すぐにヤセる」
○「ヤセにくくなる」

Q:ジムのランニングマシンは?

×「運動前にやると効果的」
○「時間の浪費、もったいない」

Q:腹筋運動でお腹は凹む?

×「見た目が少し引き締まるだけ」
○「お腹が凹むことはない」

など、これまでの“ダイエットの常識”を逆説的に説いた森さんに、「ヤセる食べ方のコツ」を聞いた。

運動の習慣化より食事の改善

──“運動するとヤセにくくなる”とは驚きでした。そのわけは?

森さん:要は“運動を過信せず、原因=「食事」をちゃんと見ましょう”ということです。太る原因は、食べるべき食事ができていないから。運動不足で太る人はいません。食事が悪いから太るんです。これまで指導してきて、「運動でヤセたい」という人はたくさんいましたが、結局、結果が出ているのは運動ではなく食事を変えた人です。太ってきたと自覚すると、ジムに入ったりランニングなど運動を始める人は非常に多いですが、「運動だけでヤセよう」という考えは間違いで、非常に効率も悪いのでお勧めしたくないんです。

たとえば、体重50kgの人が時速8kmで30分間走って消費されるのは200キロカロリーです。でも200キロカロリーのピザ1切れを食べたら1分で帳消しです。それは非効率的ではないですか? それに、運動をしているからこそ必要な栄養素しっかり摂る必要があるのに、運動しているから食事を気にしなくてもいいと思ってしまう人がほとんどです。

「運動でヤセよう」と考える人たちは、“摂り過ぎたカロリーをどれだけ消費できるか”ばかりを考えますが、運動をすると余分なエネルギーや体脂肪だけではなく、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど大事な栄養素も同時に消費されていくので、食事の栄養レベルも変える必要があります。栄養不足のまま運動をすると体に不調が出たり、体の防御反応で過食して太ってしまうのです。

つまり、健康的にヤセる秘訣は、運動を習慣化することではなく食事の改善。多くの人が誤解しがちですが、最も大事な問題は「運動不足」ではなく、「食べ方」なのです。運動を頑張るよりも、食事を変える方が圧倒的に効率もいいし楽ですよね。

【次ページで森さんの痩せ理論をさらに解説!】

 

mori1

運動指導者の森拓郎さんが“運動するとヤセにくくなる”と言うそのわけは?

──頑張って運動をしなくてもいいんですね!?

森さん:現在の日本のフィットネス人口は約3%で、これはバブル期からほぼ横ばいです。つまり、世の中の97%の人は運動が継続できないということでもあります。運動が流行っているようでいて、フィットネスクラブの実質的な会員数は平行線です。運動はした方がいいですが、「運動を好きになりましょう」と言っても大半が運動嫌いな人や運動したくない人たちなので、嫌々やらなくていいと思うんです。

この本では、運動をしない人が簡単にできる食べ方を書きました。お酒は飲まない方がいいしお菓子も食べない方がいいし、するべきルールはたくさんあります。ただ、100点でなくても60~70点取れれば結果はある程度出るのに、0か100かで考えて、自分は100点取れないからやらないという人がほとんど。しかも100が間違った100であることが多いんです。一生懸命走って、いきなり豆腐とサラダのみにするなど極端にやるのではなく、日常の極悪な食さえ省けばヤセられるんです。

短期間で糖質制限をして運動を激しくやるのは、短期の減量プログラムであって、リバウンドするためにやるのと同じこと。嫌だな、辛いなと思いながら我慢してやるそれはダイエットではなく減量です。健康的な体になるための食事をして、運動するよりも歩くことを少し増やして、それを継続することがダイエットです。

──“ヤセたければ、走るな”とのことですが、走らずに心がけるべきは?

森さん:要は、時間を決めてランニングをしたり、ジムのウォーキングマシンで歩くよりも、日常生活の活動量を増やす方が、結果的に効果が出るということです。わざわざ運動する時間をもうけることは時間とお金の浪費でもったいない。それに30分間、1時間集中的に走っても、燃やせる体脂肪なんてわずか数グラムです。ヤセるために有酸素運動をするよりも、1日のトータルの消費カロリーを増やす方が有効です。しかも、運動習慣をもうけることで“運動している気分”になり、他の時間帯の活動量が低いままだったり、むしろ減ってしまう人が多いんです。運動習慣をやめたら途端に消費カロリーは元通り。体力や時間を無駄遣いするよりも、太らない食生活に切り替えれば、運動ゼロでもヤセることができ、適正体重をキープできるんです。

筋トレではヤセない

──お腹ヤセには「腹筋運動」と思っていました!

森さん:腹筋運動をしてもお腹は凹まないし、ひねってもくびれはできません。筋肉は鍛えたら太くなるものですから“お腹の筋肉をつける運動”でしかありません。腹筋運動をして引き締まった気がするのは、筋肉を鍛えたことでその上の脂肪が引き上がっただけ。やればやるほど細くなることはありません。くびれを作るには、背中とお尻を鍛えて大きいところと差をつけて、ウエストを細く見せることです。いちばん重要で効率的なのは、日々の食事内容を変えて内臓脂肪や皮下脂肪を減らすことです。人がヤセ始める時、最初に落ちるのは内臓脂肪なので、食事を変えるだけで簡単に内臓脂肪は減らせます。

──加齢と共に代謝が落ちてきたら、運動でカロリーを消費しないとヤセないという定説についてはどうでしょうか?

森さん:筋肉を増やして基礎代謝を上げたり、たくさん動いてカロリーを消費するという働きもありますが、それよりも運動が必要なわけは、刺激を入れて体の代謝システムを良くするためです。運動をすると、ホルモンの代謝が良くなるので体の栄養の吸収率が良くなります。加齢と共にインスリンの作用はどんどん低下し、血糖値が下がりにくくなります。すると、摂った栄養がうまく細胞に取り込めなくなってくる。なのに脂肪は蓄えやすくなるんです。そのインスリンの作用をよくするために運動をして、筋肉に栄養がほしくなる刺激を与えると、摂った食べ物の栄養が正しいところへ運ばれるので、代謝が上がるのです。

──「筋肉をつけると代謝がアップする」は間違いですか?

森さん:嘘ではないですが、その恩恵を受けるために筋肉を1~2kg増やすには1~2年かかります。それで得られる1日の基礎代謝量って50キロカロリーと、1食分のお茶碗1杯が大盛りできるようになる程度なので、そんなに意味がないんです。それよりも大事なことは、普段からエスカレーターを使わないなど、1日をトータルで活動的にする習慣をつけることなのです。

moritakurou

森拓郎(もり・たくろう)

1982年生まれ。運動指導者。大手フィットネスクラブを経て、2009年自身のスタジオ『rinato』(加圧トレーニング&ピラティス)をオープン。ダイエットやボディメイクなど、10年以上の運動指導経験を持つ。栄養学を学び、運動の枠だけにとらわれない指導が支持されている。著名人のクライアントも多く、その指導に定評がある。

【関連記事をチェック!】
【痩せる食べ方Q&A】ダイエット中、米と小麦、どちらが痩せやすい?
【食べて痩せる】コクある味で満足感◎。「やせおか」の人気「ユニーク調味料 部門」BEST5
レンチンで簡単作り置きダイエット 「やせおか」の新作レシピ17品を一挙紹介!
【やせおか】食べて痩せる「かさましごはん」3品。お弁当にも便利な人気ダイエット本の新作レシピ!
食べて痩せる!伊藤かずえの【やせおか】作り置きレシピ3選

関連記事